この部屋で……このベッドで…… 彼女の中に俺とお前がいる! 青春の逆光にきらめく衝撃の行為に 明日の<愛>を問う! ...一体何から話せばいいのだろう... 僕の名前はグイド。ミラノの某大学生だったけど…今は… まず最初から話そう…ある日僕が工学部の学生に食料を運ぼうとしていたら、反体制派のヤツらに絡まれてとっつかみあいの大ゲンカになってたんだ。みんな知ってるように今、大学って学生運動でもめてるから。 で、ホントもう「このままなら死ぬかも…」って自分でも思ってたそこに突然、助けてくれた奴がいたんだ。彼の名前はマッシモ。彼女のアンジェラと車でデート中だったとこで、僕の光景を目にして、助けてくれたんだ。でもそれで逃げようとしたところをヤツらに車、ボコボコにされたんだ。マッシモはすごいショックみたいで、話しによると、今日試験勉強のために家に帰るまで友達のロベルトってヤツの車を借りてデートしてたんだって。で、一応警察へ行って調書を取られて、僕は自分の身分証明書を車の中に置いてきたから取りに行ったんだ。そしたら車が盗まれてて…あっちこっち探したけど見つからなくって、次ぎの日、同じ車を買って、町中マッシモを探したんだ。…公園の出口で彼等が抱き合ってキスしてるのを見つけた。愛し逢ってるんだなって思った…。僕がフラッシュライト光らせて彼等に合図したら、マッシモは僕が車を盗んで逃げたんだと思ったってすごい怒ってたんだけど、前の車よりキャブレターが二つも付いてて高速でポルシェを抜いたって話したら、機嫌を直してくれた。 それに二人とも僕の事をすごく心配してくれて… …僕は一応良家っていう家に生まれたんだけど、 たまたまそういう家に生まれただけで、どーでもいい。 家の母はそれはそれは美しい人でものすごく父を愛していて、人に紹介する時『私の宝』って言ってたんだ。どこへ行くにも一緒。…で、僕や妹には…誰もがいい家に生まれて、何不自由無く育ったって言うけど…違うんだ。…愛がなかったんだ…。そして僕には友達がいない。何故なら、ホントに好きでもないのにしょっちゅう逢うだけの友達なんか欲しくないから。 僕は、ホントに愛し合える友達が欲しかったんだ…。 だからマッシモが僕を助けてくれた時…一緒に映画を見に行って彼がアンジェラと仲良くしてるのが辛くって先に映画館を飛び出したらまっ先に追い掛けてきてくれて、「これからずっと友達でいよう、永遠にね。」って言ってくれた優しいマッシモ…。 彼女のアンジェラもすごく僕の事をよく理解しようとしてくれて、彼等がいつも一緒にいる場所がないみたいだから、僕は自分でアパートを借りて三人で暮らそうって言ったんだ。で… あの三人でのガラスの部屋の生活が始まったんだ…。 マッシモは大喜び。だって好きな時に彼女とSEXもできて僕みたいなお金持ちの友達もできて…僕とは全く正反対の明るい性格。どこも屈折してなくって愛にも恵まれていてカッコよくって…アンジェラはもう少し覚めていて、そんなマッシモを助けてるって感じだった。彼には僕にないものばかりでキラキラ輝いて見えた。…僕はうらやましかった。愛に飢えていた。…彼が試験勉強で家に帰るって言った時、ココですればいいじゃないかって言ったんだけど、どーしてもって。僕は彼と一緒にいたかった。 僕なら好きな人がいたら試験なんか放棄しちゃうのにな…。 僕は女の子と一度も寝た事がない。なぜって興味がないから。それっておかしいかな?ってアンジェラに告白したら、彼女は「素晴らしい事だわ」って…で、彼女が家に帰ったマッシモと「逢いたいわ…淋しいの…」って 話しているのを聞いていたとき、僕はもう気が狂いそうになって彼女の手に口付けした…で、電話を終えた彼女は僕を抱き締めて…僕はマッシモになりたかったんだと思う。多分。いや、多分じゃなく絶対に、だ。 マッシモがしてる事、マッシモの感じてる事全てを感じたかった。 僕はマッシモがアンジェラだけじゃなくって、エデーラっていう年上の女の人とも関係があるのも知っていた。僕は彼女に逢いにいった。マッシモの友達だって言って。彼女は貧しそうだけどいい人で、僕を部屋に誘ってくれて、ベッドに誘った。で、彼女が僕に愛撫を始めた時「マッシモにもこうするの?」って言った。 彼女は「嫉妬してるんじゃないでしょうね?」ってちょっと怒ったみたいだけど、それはホントだ。 僕は彼女に嫉妬していた。それにマッシモにも腹が立った。アンジェラだけだと思っていたのに。 ある日僕が部屋に戻るとマッシモとアンジェラがベッドにいた。マッシモはすぐに帰らなきゃってわかってたから僕は自分の車のタイヤにさっき買ってきたナイフを刺してパンクさせておいた。で、言った。「急がないとダメだよ。車がパンクしてて送れないから。」って。彼は出かけていった。そして僕はそのまま、さっきまでマッシモの愛撫を受けていたアンジェラと… そこへマッシモが戻ってきた。電車に間に合わなかったと。 … で、僕達の光景を見て激怒した。僕はこう言った。 「君が戻ってくるのはわかっていた。この光景を見る事も。」 彼は飛び出していった。僕は駅まで追い掛けて彼に言った。 「三人でやっていこうって言ったじゃないか。」って。 彼は「君が理解できない!僕をバカにしてるのか!」って。 僕は彼が理解していないのがわかったからこう言った。「君の考えはもう古いよ。」 …彼は「君とは絶交だ!」と言って電車に乗って帰っていった…。 アンジェラはわかっていた。僕の事も、彼女が二人ともを愛している事も。そこで彼女が彼をたずねるって事にして二人でマッシモの住む海岸に近い実家に車で行った。僕が一緒なのを見つけて「何の用だ!」って言うから僕はただ笑って「君に謝りたいと思って…それにやっぱり三人で仲良くしていきたいんだ。よかったら今から三人で僕の実家に行かないか?」って誘うと彼も気を取り戻してくれて、三人でドライブして、僕の生まれた家まで…今はもう誰も住んでいない大きな屋敷…マッシモは「素晴らしい!素晴らしい!」って喜んでくれたけど、「僕はただここに生まれただけの事さ…そして今は両親も事故で死んで誰もいないんだこの大きな屋敷…」僕にはこんな『屋敷』はどうでもいいんだ。僕の欲しいのは『愛』なんだ…。 マッシモとアンジェラが母のベッドで戯れているのを見ていたらマッシモは「見るな!」って怒鳴った。 僕はそのままシャツを脱いで彼等のベッドに入って行った。アンジェラを真ん中に彼と二人で彼女を愛撫した。そしてアンジェラのお腹の上にあった僕の手とマッシモの手が触れて…その途端、 二人の手は引き合うみたいにくっついて、しっかりと握りあったんだ。彼女のお腹の上で。 朝、三人のベッドで僕は目が覚めて、タバコがきれてなくなったから…服を着て出かける事にした。 するとマッシモが目をさまして、僕にとっても優しく微笑んで「ボクも一緒に行くよ」って言った。 けど、僕は「ううん。アンジェラと一緒にいてあげて。チャオ。」って言って出かけて、車で死んだ。 マッシモはその後、どこかへ姿を消した。恐ろしくなったんだろう。アンジェラは御葬式にきてくれた。 御葬式にはほとんど人がいなくて妹だけがじっと涙をこらえて立っていた。アンジェラは耐えられなかった。そこにマッシモが現われてアンジェラは彼に対して絶望した事を告げた。「あなたって人がよくわかったわ。親友が死んだっていうのに隠れてたなんてひどい人だわ。もうこれで終わりだわ。」そしてマッシモは血相を変えて言った「彼は自殺じゃない!僕が愛しているのは君なんだ!グイドが愛していたのは君なんだ!」と。アンジェラは言った。「彼が愛していたのは私じゃないわ…。」 マッシモは耳を押さえて泣きながら「もうやめてくれ〜!」と叫びながら消えていった。 アンジェラはつぶやいた…「私達、三人じゃないともうダメなのよ。」 CAST Guido..........Raymond Lovelock Angela..........Mita Medici Massimo..........Alain Noury Loberto..........Dino Mele Edera..........Casetta Greco STAFF Produced by...........Giuliana Scappino Directed by..........Sergio Capogna Screenplay by..........Sergio Capogna Director of photography..........Antonio Piazza Italy 1969 FIN. ...以下映写室の楽屋話... 僕がこの映画の事を知ったのは、小学校一年生の時、近所のおねえさんの部屋に張ってあった上のポスターを見たのが最初でした。僕はこのお兄さんのカッコよさ、このムードにいっぺんに酔いしれてしまい、この映画が見たくて見たくてしかたがありませんでした。おねぇさんにどんな映画か聞くと「まだキーちゃんにはわからへんわ。もうちょっと大きくなってから!」と言われ、すごく悔しかったのも覚えています。で、大きくなって映画フリークになってからもずっとこの映画をどこかでやってないかチェックしていましたがどこでも全くやりません。それで20才を超えた頃、ボクがこの映画を死ぬ程見たがっているのをしっている友達の京都の友達が、京都テレビでやる!と教えてくれて、頼んで撮ってもらって見たのです。感想は…多分普通の人が見たら「ああ、カッコイイお兄ちゃんが出てる三角関係の映画だね。」で済むんでしょうが、ゲイのボクはそれでは済みません!コレこそ自分の事そのまんまや〜!と、 何かものすごく運命的なものを感じたのです。 これだけハッキリとゲイとノンケとその彼女の関係を、ゲイとか言う言葉を一切使わずに、同性愛と異性愛の関係、それを精神性から見事に描いた映画だと思います。これが1969年作というのも驚きです。 上のストーリーは僕のあまりにもの主人公グイドに対する思い入れで、 こうなりました(笑)。だって僕ってグイドだも〜ん!(ha!ha!ha!) 一応ストーリーのままで映画観た気分になれたでしょ?(ね?) この映画はあれだけ日本でヒットして、今だにどこの中古レコード屋さんのサントラのシングルのコーナーで¥300くらいで売っているくせに一度もビデオになってない!ボクのなんか最初ベータからVHSにダビングを繰り返して観まくったのでもうボロボロです。 どうかみなさんもビデオ化されるように頼んでくださ〜い!お願いします〜! それと、コレは個人的に言いたいんですけど、 この主人公のグイドを演じたレイモンド・ラブロックは 僕がもう、この世で世界一好きな人なんです! どーしても逢いたい!たとえ今どーなっていようとも逢いたい!ああ〜〜!! 彼はこの後『火の森』という森の美女三人姉妹の魔女達に回されて殺されるという、聞くだけでタマラナイ!映画(観たことナイ!)や『透き通った夕暮れ』というつまらなそうな青春映画に出たあと、あの『屋根の上のバイオリン弾き』と 『カサンドラ・クロス』にチョイ役で出たあと、アクション物やマカロニ・ウエスタンにいくつか出ているみたいなんですが、サッパリわかりません。僕が最後に観たのは80年代につくられたスリラーで、元スターだった俳優が事件に… というのをテレビで観たっきりです。(とてもつまらなかったです。)どなたか レイモンド様に詳しい方がおられましたら、ぜひお友達になってくださいね!! あと余談ですが、彼が『ガラスの部屋』のあと、日本語で歌わされた曲とか、自作自演の曲(コレが素晴らしい!彼はもともとシンガーソングライター志望だったらしい。…キャ〜!)が入った『レイモンド・ラブロックのすべて』っていうのと『白い影と青い影/レイモンド・ラブロックのすべて』という二枚のLP(レコードの事ね)とシングルを何枚か持っているんですがこの他にもあるのでしょうか?もしあったら誰か…譲って下さい〜! lovelock@toys.co.jp ・CIAO!・ 絶賛大上映中 薔薇館之隣狂乱娼館隣 場内喫煙 タバコ BBS *股のお越しを* 非情出口